こんにちは、立早ノノノです。
今日はテクニカル分析の基本中の基本である移動平均線について解説していきたいと思います。
「Moving Average」を略してMAとも表記される移動平均線は、数あるテクニカル分析の指標の中でも最も使用されている有名な指標です。
それはつまり、多くの投資家が注目しているため、反転や節目のポイントとして機能しやすいということでもあります。
今日は、移動平均線とはそもそもなんぞや?という基本の情報から、パーフェクトオーダーといった特別な形の紹介まで、まとめて解説していきます。
移動平均線 基本編
移動平均線はローソク足の終値を平均して結んだ線
まずは、移動平均線がどのような計算の元で描かれているのかを知っておきましょう。
移動平均線とは、指定されたローソク足の本数で終値の平均値を出し、その平均値を結んで描いた線です。
例えば下の図のように、「5」と設定すれば過去5本分の終値で平均値を出し、その点を結んで線を描きます。

10と設定すれば過去10本分、100と設定すれば過去100本分ですね。
そうして描かれた移動平均線は「MA10」や「MA100」というように表記されます。
3種類の移動平均線
移動平均線には主に、
- 単純移動平均(SMA:Simple Moving Average)
- 加重移動平均(WMA:Weighted Moving Average)
- 指数平滑移動平均(EMA:Exponential Moving Average)
の3種類があります。
単純移動平均は、上にも書いたように単純に平均値を算出したものです。
それに対して加重移動平均と指数平滑移動平均は、より直近の値動きに対して敏感に反応できるように計算されています。
最も使われているという意味では単純移動平均が一番でしょうが、急激な値動きにも反応出来る指数平滑移動平均の方が好みだという人も多いです。

傾きの強さと剥離率で相場の流れを読む
移動平均線は、その傾きの強さやローソク足との離れ具合を見ることで、今の相場の流れを読むことが出来るようになります。
基本的に、ローソク足が移動平均線より上にあったら上昇トレンド、下にあったら下降トレンド、何度も交差して横ばいだったらレンジ相場です。

また、移動平均線の傾きが急であるほど、そのトレンドの勢いが強いという目印になります。

ただし、ここで気を付けなくてはならないのが、ローソク足と移動平均線の離れ具合です。
上昇や下降の勢いが強く、移動平均線から離れてしまうと、まるで移動平均線に吸い寄せられるように急激な戻しが起きることが多々あります。

そのため、急激な値動きがあった時はすぐに飛び乗らず、一度戻しを待ってからの方が安全です。
移動平均線は順張りのエントリーポイントとしても使える
移動平均線はレジサポラインと同じようにローソク足の動きを止めることがあり、押し目を作る場所の目安にもなります。
そのため、トレンドに沿った押し目買いや戻り売りをするときのエントリーポイントとして利用する事が可能です。

移動平均線 実践編
短期・中期・長期の3本セットが一般的
移動平均線は短期・中期・長期の3本セットで使うとトレードの幅が広がります。
短期線は急激な値動きでも敏感に反応してくれる一方で、すぐに上下してしまうため相場の流れがつかみにくくなってしまいます。
そこでMA100などの長期線を一緒に引いてあげると、ゆるやかに動く長期足のおかげで、今は買い寄りなのか売り寄りなのかを判断することができるようになります。

短期・中期・長期の値は自分が使いやすいなと思う値で大丈夫です。
私の場合はMA20・MA50・MA100の3本を使っています。
MA20は1ヶ月が20日(FXは土日休み)という理由がありますが、他は単にキリが良いというだけの理由です。
案外そうした理由の方が設定している人が多く、注目するポイントが同じになりやすいので良かったりします。
ゴールデンクロス・デッドクロス
3本の移動平均線を引いていると、トレンド転換のサインを見つけることができるようになります。
それが、ゴールデンクロスとデッドクロスです。
ゴールデンクロスは、短期の移動平均線が長期の移動平均線を下から上に向かって突き抜けることを言います。デッドクロスはその逆です。
ゴールデンクロスは直近の値動きが売り目線から買い目線に変わった事を教えてくれます。

ただ、「ゴールデンクロスが出た頃には既に大きく上昇してしまっていた」なんてことも結構あるので、エントリーポイントとしては見ず、あくまで目線が切り替わったというサインにとどめた方が良いでしょう。
パーフェクトオーダー
パーフェクトオーダーは、3本の移動平均線が全て同じ向きになってキレイに並んでいる状態の事をいいます。
この時はとてもはっきりとしたトレンドを形成していることが多いため、絶好の順張りトレードチャンスです。

移動平均線で押し目ができたのを確認してからエントリーすると良いでしょう。
上位足の移動平均線を下位足に表示させる方法
最後にちょっとした小技として、4時間足など上位足の移動平均線を、15分足などの下位足に表示させる方法をご紹介します。
私の日記でも、エントリーポイントを探るときに良く用いる方法で、いちいち時間足を切り替えなくて良いのでとても重宝しています。

方法はとても簡単です。移動平均線が終値の平均値を結んだ線であることは、冒頭に説明しましたね。
つまり、平均値を出す期間が同じになるようにすれば、下位足にも上位足と同じ移動平均線を表示させることができます。
例えば、4時間足のMA20は、4×60×20=4800分の間での平均値を出しています。
15分足で4800分の平均を出すためには、4800÷15=320本のローソク足が必要です。
よって、15分足にMA320を表示させれば、それは4時間足のMA20と同じ線になります。

使いこなせるとチャートをいちいち切り替えなくて良いので、観察がとても楽になりますよ。
まとめ
移動平均線はチャートを見ている人のほとんどが使っている、最も有名なテクニカル指標です。
多くの人が意識するため、その影響がチャートにも現れやすくなります。
世の中にはたくさんの指標がありますが、まずは移動平均線を理解し、使いこなせるようになりましょう。
相場の動きが次第に見えてくるようになりますよ。