こんにちは、立早ノノノです。
今日は相場が反転するポイントを探すときに便利な、フィボナッチリトレースメントをご紹介します。
相場はたとえトレンド相場でもまっすぐに進んでいくわけでは無く、ジグザグに波を描きながら動いていくものです。
そうやって押し目や戻しを作るときに、どこまで戻ってからまた進み始めるのか分かれば、いつエントリーすれば良いのか分かりやすくなります。
フィボナッチリトレースメントは、そうした押し目や戻しがどの辺りにできやすいのか一目で示してくれる便利なテクニカル指標です。
今回は、フィボナッチリトレースメントとはなにかという基本を紹介してから、MT4での設定方法や実践での使い方を順番に紹介します。
フィボナッチリトレースメントとは
フィボナッチ数列を利用したテクニカル分析
フィボナッチリトレースメントは、フィボナッチ数列の特性を利用して作られたテクニカル指標です。
フィボナッチ数列とは、下のような数の並びのことをいいます。
1, 1, 2, 3, 5, 8, 13, 21, 34, 55, 89, 144, 233, 377…
一見バラバラに見えるこの数列ですが、隣り合う数字に注目すると2つの面白い特徴を見つける事ができます。
1つ目は、連続する2つの数字を合計すると、次の数字になるというものです。
- 2 + 3 = 5
- 13 + 21 = 34
- 89 + 144 =233
そして2つ目は、ある数字を隣や2つ隣の数字で割ると、特定の数字に限りなく近づくというものです。
- ある数字を1つ後の数字で割ると、0.618になる
- ある数字を2つ後の数字で割ると、0.382になる
- ある数字を3つ後の数字で割ると、0.236になる
フィボナッチリトレースメントでは、この2つ目の法則を利用しています。
0.618や0.382という比率は「フィボナッチ比率」や「黄金比」と呼ばれ、FXのテクニカル分析でも重要な役割を果たします。
人はフィボナッチ比率を美しいと感じる

このフィボナッチ比率は、自然界や芸術品の中にもたびたび見られます。
ひまわりの種の並び方や、ピラミッドの縦横比などがそうですね。
このように、フィボナッチ比率が使われている図形は、大多数の人がなんとなく美しいと感じると言われています。
FXのチャートも、人々の買いたい・売りたいという集団心理によって描かれた1つの図形です。
そう考えれば、大多数の人が美しいと思うフィボナッチ比率が現れることも、ごく自然なことだとは思いませんか?
フィボナッチリトレースメントはトレンド時の押し目探しに使う
フィボナッチリトレースメントが効果を発揮するのはトレンドが発生したときです。
相場はまっすぐに進んでいくのではなく、押し目や戻しを作りながらジグザグに動いていきます。

そこで予めフィボナッチリトレースメントを引いておくと、どのあたりの価格で押し目や戻しを作って反転するのかを予測することができます。
トレンドの押し目や戻しは多くの人が注目するポイントです。
そうしたポイントに分かりやすい目印を作れるフィボナッチリトレースメントは、多くの人に好んで使われているため、それだけ機能する確率も高くなります。
フィボナッチリトレースメントの設定方法と使い方
MT4でフィボナッチリトレースメントを設定する方法
それでは、実際にチャートの上にフィボナッチリトレースメントを表示させてみましょう。
今回は最も有名なFX取引ツールであるMT4のチャートで、フィボナッチリトレースメントを表示させる方法を紹介します。
MT4では2つの方法でフィボナッチリトレースメントを表示させる事ができます。
- 「挿入」タブ → 「フィボナッチ」→ 「リトレースメント」
- 左上にある、水平線の右下に小さなFが書かれたボタンをクリック

このどちらかでフィボナッチリトレースメントを選択したら、現在のトレンドの高値と安値をドラッグで結びます。
上昇トレンドの時は安値から高値に向けて、下降トレンドの時は高値から安値に向けて引くようにしてください。
すると、フィボナッチ比率の位置にあるラインを自動で引いてくれます。

このラインが、次に押し目や戻しを作って反転するポイントの目安となります。
メインで注目すべきラインは「23.6%、38.2%、50.0%、61.8%」の4本
フィボナッチリトレースメントでは、フィボナッチ比率の0.236、0.382、0.618に当たる3本のラインに、ちょうど半値となる50.0%ラインも加えた合計4本のラインが引かれます。
「半値戻し」という言葉もあるように、ちょうど半値というのもキリが良く、多くの人に注目されるラインです。
設定で他のラインを追加することもできますが、主に注目されているラインはこの4本なので、それ以外を見る必要はありません。
実際のチャートでも見てみましょう。

上昇トレンドが始まったところで高値と安値を結び、どの辺りで押し目を作るのか調べます。
すると、ちょうど61.8%のラインで押し目を作り、反転していますね。
さらにその後も上昇トレンドが続いたので、安値をそのままに、高値を更新してもう一度フィボナッチリトレースメントを使ってみます。

すると今度は23.6%と38.2%が意識されて少し反発した後、最後は50.0%で押し目を作って上昇していきました。
このように、フィボナッチリトレースメントは同じトレンド内で何度でも機能します。
なのでどこを結べば良いか迷ったときは、とりあえず目に付いた高値と安値を結ぶだけでも目安を作ることができますよ。
勢いが強いときは突き抜けるときもある
反転の目安となるフィボナッチリトレースメントですが、相場の勢いが強いときはピッタリと止まらず、ラインを突き抜けることもよくあります。
そのため、ラインに到達したからといってすぐに逆張りするのではなく、そのラインで動きが止まったのを確認し、反転したのを確認してからエントリーするようにしましょう。

例えば、1時間足で見ていてフィボナッチリトレースメントのラインに到達したなら、5分足で詳しくライン近辺の動きを見て、ダブルトップなどの反転のサインを見てからエントリーすると、すぐに含み損を抱える可能性は低くなります。
他のラインと重なると根拠が強くなる
実際にエントリーするときは、フィボナッチリトレースメントだけで決めるのでは無く、他のラインと重なるポイントを探しましょう。
移動平均線やトレンドライン、他のレジサポラインなど、重なるラインが多くなればそれだけそのポイントに注目する人も多くなるので、予想通りの動きをしてくれる確率が高くなります。

また、エントリーの根拠が強くなれば自分のトレードに自信が持てるので、目先の値動きに翻弄されて心が削られることも防げます。
ゴチャゴチャとラインを引きすぎても見にくくなってしまうので、簡単に見つけられるラインが2~3本重なるところを探すと良いですよ。
終わりに
フィボナッチリトレースメントは初心者にとっても扱いやすく、簡単にエントリーポイントを見つける事ができる便利なツールです。
始めはトレンドを見つける度にとりあえずフィボナッチリトレースメントを引いてみて、どんな動きをしているのか観察してみましょう。
そうすれば、だんだんと値動きの特徴がつかめてきて、最適なエントリーポイントが見つけられるようになるはずです。
自分のトレードにフィボナッチリトレースメントを加えてみて、より確度の高いテクニカル分析ができるように頑張りましょう。
- 反転する価格を予想するテクニカル指標
- トレンド発生時に使う
- 突き抜けることもあるので注意
- 他のラインと重なるポイントを探す